「むすめが、死んだ。」王さまは商人に言いました。商人は王さまのふかいかなしみと、自分へのうらみを感じ、それが本当のことであるとわかりました。そしてたくさん泣きました。商人は言いました。「子どもはどうなったのでしょう?」
王さまはかおをゆがめて大きなこえで言いました。
「死んだに決まってろう。」
そのとき、お城の中には元気な男の子のなきごえがひびいていましたが、商人のいる地下室にまでとどくことはありませんでした。
商人の目の前はまっくらになりました。
そして、商人は生きるきぼうをなくし、感情もなくしてしまいました。


商人は、犬になってしまいました。