お城にもどった商人は、また地下室にとじこめられてしまいました。そして今までよりももっとぶたれました。商人はまた服をとられ、くびわでつながれてしまいました。その横にもう一人くびわでつながれている人がいました。でも、その人は死んでいました。その人は商人をにがしてくれた人でした。死体は何日たっても彼の横にありました。それがくさり、ひどいにおいがしても、彼の横から動くことはありませんでした。商人ははだかで、くびわをつけたまま、なんどもなんどもその人にあやまりました。そして、いじめる男に「くようしてくれ。」とおねがいしました。それでもその人は彼の横にいました。たまに男がその人を蹴ったりしました。商人はそのたびにその人を守りました。男はそんな商人を見て、「死体を守るなんてまぬけだな。」と言って楽しそうに笑いました。