ドアを開けると、賑わいと共に華やかな音楽が耳に届いた。
幸いにも出先には人がいなかった。
彼は今、人にまったく会いたくなかった。こんな状態で新王が従者に会えるはずもなかった。にもかかわらず、部屋を飛び出した自分の行動と、それを肯定している感情に彼は混乱した。

なぜ、部屋を出てしまったのだろう?

そして、どこか人目のつかない場所へ場所へと彼の足は進んでいった。
部屋に戻るという選択肢は彼の頭にはなかった。


なぜ、部屋を出てしまったのだろう?