しばらく彼は落ち着きなく、部屋の中をウロウロしていた。そして、先程見た夢について考えていた。

あの声は、父上だったのだろうか?

そう疑問を持ちながらも、別のところでは確信していた。父親に会ったことなどない、ましてその声など聞いたこともない。
それでも彼は確信していた。
あれは紛れもなく父であると。