どれくらい眠っていたのだろう?

日はすでに落ちていた。激しい息切れと、汗でぐしょぐしょになった衣服が、悪夢の苦しさを物語っていた。彼は着ていた衣服を脱ぎすてると、寝具に着替え、窓を開けて深い深呼吸をした。それからしばらく彼はぼーっと外を眺めた。外では町の明かりがキラキラと輝き、人々がまばらに談笑をしていた。
城下町まで続く賑わいを見たところ、宴が始まっているようだ。

「本人は王どころではないというのに。」

そう言って王は皮肉めいた苦笑いをした。