「お祖父様は、最後まで私を好いてはくれなかった…。」
鳥肌を立てた王子が、悲しそうにボソリと言った。
「そ、そんなことはありません!先代の王は常に王子をご心配なさっておりましたよ。」エミルはすぐさま反論の声をあげる。王子は嘘だとわかっていても、その言葉を聞きたかったのかもしれない。その時の王子はとても恐れていた。今朝の夢がまた蘇る。