堂々と立派にそびえ立った城。それはもう、今のうちだけだろう。庭園はまだ手入れが行き届いていたが、これから荒廃するだろう歴史を黒々と感じさせた。城壁は所々砕けており、月夜に映るその城の姿、形は、どこか不気味に見えた。いや、その城の姿、形は、事実として不気味であった。