「そんなこと知らないんだよん。」


「ヘタ廉には聞いてねぇよ。」


「ヘタ廉って言わないでだよん!」


「龍、そのくらいにしとけよ。じゃな。」


優の声を遮るように愛梨栖の声が響いた。


「えっ?変な連中が家の前に立ってる?…。わかった。すぐ行く。じゃあね。」


電話を切ると3人を見て


「なんか美利亜の家の前、ヤバイらしい。」


「何がどうヤバイんだよ。」


「説明は行きながらするから。」


「知ってるの?家。」


「・・・。」


愛梨栖は黙ってしまった。


それを見た優は


「まったく、しょうがない。」


パソコンを取り出すとカチャカチャと何かを始めた。


「あー、出た出た。優お得意のパソコン。」


「そんなこといいから説明して。」


優はパソコンに目を向けたまま愛梨栖に質問した。


「変な連中ってどんなの?」


「なんか旗持って、家の前で座り込みされてるらしい。見たほうが早いって。」


「ふーん。あっ、出た。学校の角曲がってそのまま直進。」


「よしっ!行くぞっ!」


4人は走り出した。