「抵抗しないで。彼らは私が呼んだの。お通しして。」


「わっわかりました。」


ブツッと音がして内線も切れた。


「なんのつもり?」


愛梨栖は刺々しく言った。


「見離されても怖くもなんともないのよ!」


「ふーん。そうかい。」


聖夜は棒読みに言った。


「優くんは家に連絡入れて。ここを見離せって。」


「了解。」


優は返事をすると電話した。


「涼、それを抜いて対応しとけ。ただ、ドアが開いたらの話だけど。」


聖夜はドアのほうに目をやった。


するとドンドンと音がして


「桐島、開けろ。」


朔の声がした。


「今、開けます。」


実奈はドア付近にあるオートロックに手を当てた。


いつもならピピーッと音がしてドアが開くのだが、なんの反応も示さなかった。