君は“えむ”彼氏!?





七月とはいえ、やっぱり夜は冷える。


「……クシュッ!」

「寒いか?」

「ううん、平気!」

「平気じゃねぇだろ。俺の貸してやる」

「へっ?」


バサッとパーカーを被せられた。


「あっ、大丈夫だよ!寒いでしょ?」

「俺はいいんだよ。倉田の格好の方が見てて寒い」

「そ、そっか……ってそれどういう意味!?」

「うっせぇなぁ。俺が貸してやってんだから黙って受け取れ」


憎まれ口を叩いても、優しさは伝わってきた。


けっこうわがままだと思ってたけど優しいんだな……桐沢。


「で?倉田の家どこ?」

「はあ!?い、家って……!」

「変な意味じゃねぇぞ。送ってやるって言ってんだよ」

「あ……そういうこと」

「ばーか」


こっちを見てニヤッと笑う桐沢。


「……!!」


不覚にも、心臓の鼓動が早くなってしまった。


や……ヤバい。
あたし、本気で……ハマりそう。
この男、桐沢帝に。




「……あ、あのさぁ、桐沢……」