「み、帝?」
「……もう我慢できねぇんだ」
心臓が有り得ないくらい脈打っている。
「玲香……」
「ちょ、ちょっと待って!」
「待てねぇよ……我慢できねぇっつったろ」
期待と不安が入り混じった感情のせいで、あたしは自分でも分かるほど顔に熱を持ち始めた。
帝が手に力をこめた。
今気づいたけれど、帝の手もすごく熱くて汗ばんでいる。
遠くで吹奏楽部の演奏がやみ、もう部活が終わる時間なのかと頭の片隅で思った。
「玲香、よく聞けよ」
「う……うん」
帝はあたしの目を見つめ、そして口を開いた。
「俺をお前の犬にしろ!」
途端、あたしの頭の中は真っ白になった。
「……は?」
