「また悪いクセが出たってことね……」
奈美に冷静にそう言われ、あたしは頭を垂れた。
「だって……つい」
「つい、じゃない。その暴走するクセのせいであんた今まで何人の男を泣かせてきたの?」
「な、泣かすって……」
「間違ってはないから。空手有段者から思い切り殴られたら、男でも泣くでしょ」
「……はい」
あたしは七歳の頃から空手を習っていて、とりあえず高校二年生である今日まで通り魔やストーカー、ウザイナンパ男はこの拳で沈めてきた。
ただ元々喧嘩っ早い性格なのか、彼氏と言い争いをするとすぐに手が出てしまう。
そしてそうなるとまず百パーセント、あたしが勝利する。
それが別れるキッカケになるのは言うまでもなく……。
「にしても、最悪だね。あの桐沢って男は」
奈美はあたしを慰めるように言った。
「ショックだったでしょ」
「うん……告白されたらこっぴどく振るって」
「なんか女にトラウマでもあるのかねぇ」
すると、教室のドアが開き桐沢が入ってきた。
