ゆきんこ

「陸くん球技でもしてる?投げ方がうますぎ。」



「俺?……バスケ!」



陸くんは私のとなりに、ストンと腰を下ろした。




「…どーりで!やっぱお兄ちゃんに憧れて?」


カッコイイだろうからなあ……。



「はあ~?キモいこと言うな!」



………。
キモいときたか。





「…お前、聞こえてっぞ~?」



頭上から降ってきた雪玉が、ボコっと陸くんのアタマに当たる。




「いってぇな、バカ兄貴!」



「…悔しかったら当ててみろ。」



「あほ!届くわけないだろっ!」




「……まあまあ、陸くん。私に任せてよ。」



私は雪をぎゅうっと握って。



「こう見えてさ、ソフトボール投げ、女子で一番だったんだ。」




そう言って。



新野目掛けて……



思い切り、投げてみた。