ゆきんこ










「……陸~、福嶋~、雪落ちるぞー!軒下に行くなよ!」




「「ハーイ!!」」





新野の家は予想以上に大きくて…



庭にはなんと。



大きなかまくらができていた。




「…すごい、立派なかまくら!ねえ、コレ、新野がつくったの?」



「おう。朝イチに。」



「……おぉ……、中も広いッ!!」




身を屈めて…


私は中に入る。





……朝イチから、雪掻きにかまくらに……



すごい体力だ。





「おい、ゆきんこ。休んでる場合じゃねーぞ。」




新野のちびっこ版・陸くんが……



悪戯っ子の顔を覗かせる。




「……3コ、相手に雪玉当てたら勝ちだからな。」




「…………。」




陸くん、パワーありそうだし…


何だか痛そう。



「……現役女子校生を舐めてもらっちゃあ困るなあ。」




くだらない見栄を張って。



「……10数えたらスタートね。」






ゲーム(雪合戦)のスタート!!













……が、







「……おりゃあ~ッ!」



スポコン魂に火がついた私は、自分でも大人げないくらいに……


必死になっていた。






さすがは新野の弟!


すばしっこいし、球も速い!





「…はぁ、はぁ……。ちょっとタイム!ちょっとキツイ!」



2対2になった所で……



先にダウン。




「…えーっもう?」



おそるべし小学男児!