ゆきんこ

いかに彼が、こうやって…

私を見ていてくれたのかが、わかる。





私はにへら……、と、何ともぎこちない笑顔を返す。







「……?なんだ?何がそんなに可笑しい?」



担任が、文人を不思議そうに見ていた。





わ、笑わなくてもいいじゃん。


誰だって…


告白なんてされたら、意識するし、緊張だってする。






再びこっちを見た文人の口が動く。





……ん?




『ば』



……ば?



『か』



…か……?








コラコラ、仮にも好きな女に失礼な……。







でも……



いつもの、文人だ。






……ホッとする……
自分がいる。







文人も……


普通にしたいんだよね、きっと。




昨日の別れ際。


そうすることを望んでいたのは……



私だけじゃない。







……そんなことを思う私は、狡いのだろうか。