ゆきんこ




信号ももう眠る、深夜の知らない街…。


行く先も決まらぬまま、ゆっくりと…車を走らせて行く。






助手席に初めて乗せた男の人は、いつのまにか…静かに寝息を立てて。


普段の自信たっぷりの凛々しい目元が。


優しく…垂れていた。








「……どこまで…自由なんだか。」

ふうっと息をついて…


一気に待ち遠しくなった明日へと向かって…のろのろと…走る。







明るくなる頃には……

眩しい太陽の光が、君を起こしてくれるだろう。




そしてきっと…、うっすらと積もった雪をかき集めて。

無邪気なイタズラを企てるに…違いない。



私は……、ゆきんこ。

彼は……、自由人。






こんな明日を想像しちゃう、初雪の日……。













= END =