でも。
これからは……、赤の他人ではなくなる。
白ボンボンの中で、顔見知り程度には……
なるのだろうか。
「ああ、そう?んじゃ、気をつけて。」
今はまだ、それだけで……。
俺は踵を返すと、
一歩……、
踏み出した。
なんとなく、気分がいい。
「………あの!……ありがとうございました!!」
「………………?」
今の、白ボンボンの声?
なんだ、やっぱデカイ声……出せるんじゃん。
彼女の方へと振り返ると……。
やっぱり似合う白ボンボン帽子を深く被って……
顔を真っ赤にして。
初めて……
俺の顔を見ながら……、
笑った。
もうすでに止んでいたけれど、
やわらかくて、ふわふわとした…
雪のように……。


