ゆきんこ

もしそうじゃなくても。



例え沢山の人がいたって……。




俺はきっと、誰よりも先に…手を差し延べたいと、




そう……



思うだろう。










「大丈夫?」



彼女を引き上げると…、




ひょいっ、と、いとも簡単に………身体が宙に浮いた。



……軽っ。






「…だっ…だっ……」



「……………?」






なに、このリアクション。




思った以上に…


テンパってるし。






「…!……ブーツ脱げてる。」



雪の中に取り残されたブーツ。




これはとってやらないと。




「…足、雪につくと悪いから…、つかまってて。」



自分のすぐそばに、白ボンボンを下ろす。


「…………。」



あぶな…、
またコケそう。



彼女の手を……半ば強引に、俺のジャケットへと導く。



それでももちろん、片足だから……


上手くはバランスがとれない。




「よいしょ。…っと。」



身を屈めて……ブーツを掘り出すと、



その中には、大量の雪が入っていた。





雪を取り出していると………





白ボンボンは、何だかオロオロとしている。