ゆきんこ






その日は大雪で……




いつもよりも、早足で歩いていた。




白ボンボンの足音も……





なんとなく、急ぎ足。









「………ぎゃッ!」








「…………??!」




奇妙な声がして。





ぐるりと振り返ると…。






なんと、白ボンボンが………





雪にはまってる!?




じたばた足掻いているようだけれど……、


立ち上がる気配は……ない。






考えるよりも先に……




体が、動いていた。





彼女に駆け寄ると……、新雪には……


見事な顔の跡。





その、マヌケな姿に……。



笑いが込み上げる。






……まさかのまさか、だった。




この道を歩いていたのは、たまたまなのか…



俺と、彼女だけで……。






必然的に、手を貸してやれるのは……




俺だけ。