けれど、部活を引退したこの身体はそうも体力を温存できる訳もなく……
次第にペースは落ちて、
進むその一歩が、
まるで鉛でもついているんじゃないかってくらいに……
重たい。
「……ハァ…、ハァ……」
呼吸の乱れを直すために、一度……
足を止める。
………と、
そのタイミングを見計らったかのように……
ポケットで、携帯電話が鳴った。
「……新野?!」
慌てて取りしてみると……
メールが届いていた。
相手は……
咲だ。
「……………。」
もしかして……、
告白の結果……?
やっぱり新野は、咲と一緒にバスに乗って……
彼女の告白を受けたのだろうか……?
私は見るのが怖くて。
ぶんぶんと首を振って……、
携帯を閉じる。
咲と……どうなったのかはわからない。
でも、大事なのは……、
ちゃんと自分の想いを届けること!
私はそれをポケットにしまって……
再び、走り出した。
こんなに諦めの悪い自分でも……
誇らしく思えるように。


