生徒達は各々に、別れを惜しんで……
写真をとったりしながら…、名残惜しむ。
窓の外には……
チラチラと舞い散る雪。
私は帰り支度をしながら……、
ぼうっとその景色を……
眺めていた。
『ゆきんこ。』
「…………。」
私はきっと……、
雪が降る度に思い出すのだろう。
もう、会うこともない
君の声を………。
「…ゆーき、何ほうけてるの?」
咲がぽんっと肩を叩いて、私の横に並んだ。
ふと、彼女を見ると…。
「わ。咲、その目!」
真っ赤に腫れ上がってる!
「……泣かずにはいられないモンなのね。…大失敗。」
「……そりゃあ…そうだ。」
「………ねえ、幸も卒業パーティー行くでしょ?」
「…うん、もちろん。……あれ、でも咲……。新野と約束……。」
告白は……?
「……約束なんてしてないよ。でも…、バス時間わかったら連絡くれるようにお願いした。」
「………。そうなんだ。」
「……幸……。気になる?」
「…………。」
「……私はアンタに遠慮なんてしないよ。アンタは自分の意思で…文人を選んだんだから。」
「……うん。」
「ただ……、ぶつかってもいないで簡単に諦めるくらいの想いだったんだなぁって…、正直思う。」
「…………。」
「……最後だしぶっちゃけるけど、新野に昨日電話した時にさ……、まだ告白もしてないのに、好きな奴いるって言われたよ。」
「…………うん。」
「……最近、告白したんだって。」
「…………!」
「……で、振られたそーなんだけど。」
「……………。」
「……その相手、楢崎景ではないって。」
「………うん。」
「……アンタ…、驚かないんだね。」
「…………。」
「……もしかして、告白されたのって……。」
「………咲。これから告白しようって人が、過去の話を気にしちゃダメだよ。」
「…………!」


