今日は半日で授業もない。昼休みもないし、祐也に会えない。

莉亜は祐也に麗香の事を聞きたくてたまらなかった。

ホームルームの後、急いで下駄箱へ行って祐也が来るのを待った。

なかなか来ない・・・。


莉亜の頭の中には麗香の姿が
繰り返し浮かぶ。



祐也がいつものグループの友達と
騒ぎながら歩いてくる。


「あれ?莉亜ちゃん!」

祐也の友達の直人さんが莉亜に
気付いて話しかけてくれた。


「莉亜どうしたこんなとこで?」

莉亜の気持ちが高ぶる。今すぐ
麗香の事を聞きたいけど周りには
祐也の友達がいるし、なかなか
言うチャンスがない。


『ん?ちょっと待ってみただけ』

「今から行くんだろ?頑張れよ」

と莉亜の頭をポンと手を置いた。


『ねぇ祐也?・・・』


「ん?」

「また今日の夜なっ。きをつけていけよ」


結局、校門まで祐也の仲間と
一緒に歩いたけど麗香の事は
言い出せなかった。


莉亜のバイト先と祐也の家の
方向が真反対だからここでバイバイした。



怖い。すごく怖くてたまらなかった。