君になりたい【短編】




次の日。
夕焼けが血みたいに綺麗だ。

まるで、俺が“悟”を
食べた日みたい。


そう思うと、腹から可笑しくなってくる。

あれだけ威張っていた悟。

死ぬ直前になると
あんな変な顔になるんだ。


俺は悟に勝ったんだ。

悟になれたんだ。






……………トントン。

突然、俺の部屋の扉がノックされた。

「誰だ」

「僕だよ。」

「あぁ、陽か」

「ちょっと僕の部屋に来てくれないか」

「ああ、別にいい……」