私とハルは1215号室の前に来ていた。

ーコンコンっ

ハルが1215号室の扉をノックした。
しばらくして……

「はい……??」

と、少し開いた扉の隙間から人の顔が見えた。
茶髪で天然パーマがかかった髪。
それと同じクリクリした大きめの茶色の瞳。
身長は160cmぐらい。
女の私より女の子っぽいな。

「俺、鎚田 晴秋!
 1217号室だから!
 よろしく!」

「は、はぁ……。」

「ハル、困ってんぞ。」

「んなっ……。
 湊、俺に失礼だぞっ!」

なんだそりゃ。笑。

「俺は水沢 湊。
 お前の部屋の隣の1216号室だから。
 よろしくな。」

「僕は、斎藤 麻冶(Saito Maya)。
 ハルくんと、湊くん、よろしくね。」

麻冶はそう言って、ニコっと笑ってみせた。
絶対女の私より可愛いだろ……。

「じゃあ、俺自分の部屋の片付けしてくる。」

今日来たばっかりの私は部屋が段ボールだらけになっている。
段ボールだらけの部屋で一晩を過ごすのだけは免れたい。

「俺、手伝おうか?」

……いや、それはさすがにマズイだろ。
女物が少ないながらもあるし。
バレたらめんどくせぇらしいし。

「いや、俺1人でやるわ。」

「そっか。
 じゃあ、麻冶、俺と遊ぶか。」

「僕は、勉強しなきゃいけないから……。」

ハル、私にも、麻冶にもフラれてるし。笑。