-叶多 side-
俺は、永村 叶多(Eimura Ksnata)。
永村 湊は姉貴。
年齢は姉貴の1コ下。
姉貴が親父に呼び出された。
普段、しゃべらないあの親父が姉貴としゃべるなんて……。
俺達、姉弟は仲が良い。
ーガチャ……。
おっ、姉貴が親父の書斎から出てきた。
「姉貴、親父からなんて言われた?」
「私、この家出てく。
1週間後、私は、男として……水沢 湊として生きるんだって。」
「……は?」
姉貴は、女にしては長身の170cmの身長。
切れ長の目に、通った鼻筋、形の良い唇。
お世辞にも大きいとは言えない、小さい胸。
黒髪ロングをショートにしたら、男に見えなくはないが……でも、なんで……?
「佐和田学園……。」
「佐和田学園って、男子校……だよな?」
「私、そこで3年間過ごすらしい。
恐らく、3年間この家には帰ってこれない。」
「……な、んで……?」
「……分からない。
でも、私のためだって、親父が。」
「姉貴の、ため……?」
「そ、私のため。
私、準備があるから、そろそろ行くね。」
なんで姉貴が男子校に通わなきゃいけないんだ?
佐和田学園は"超"が付くほどのエリート高校。
なんでかは分からないけど、イケメンが多いって噂でも有名な学校。
某有名会社の社長の長男、つっても将来この会社を継ぐのは姉貴だから俺は結構自由に遊べてる。
別に頭が悪いわけじゃないけど、姉貴ほど頭は良くない。
だから、佐和田学園の超難しい受験に受かるわけがない。
とゆうことは……
3年間、姉貴に会えねぇのか……。
「……はぁ……。」
俺はシスコンか……。

