友だちの胸を借りながら、泣き出した真奈美チャン。






彼女の口から飛び出した真実にあたしも他の子も、

戸惑いを隠せなかった。






それでも何度もごめんって謝る真奈美チャンの姿は本当で

チラッと見上げた若杉の顔は、




“だから言ったろ?”




そう言ってるように見えた。



でも…








そうだったんだ…

真奈美チャンも…
ずっと片思いしてたんだ

若杉が好きで好きになって欲しくて…

あたしと同じ気持ちだったんだ…









「…真奈美…ごめんな…俺も、はっきり突き放さなかったから…

でも、俺…コイツが好きだから…」









そんな若杉の言葉に涙目になりながら頷く真奈美チャン

友だちに支えられながら、静かに食堂を後にした。








遠ざかる真奈美チャンの姿に聞こえたのは








「……付き合ってなくて安心した?」





なんて…

ちょっと意地悪げな若杉の声。






ニヤニヤとあたしを覗き込むその顔…

でも、ちょっと意地悪で優しい目をしてた。










ムカつく…

浮気って…これ、浮気なんかじゃなかったんじゃない。


あたし、どんどん好きになっちゃって

いつかは終わらなきゃって…



ずっとずっと悩んでたのに。

なんなの、こんなオチ…













「…分かった。あの人が本命ね?」

「は?」


「ホラ、夜に一緒にいた人」


「は!?ちょっ」



「だって、コレ…浮気でしょ?」









あたし…

ちゃんと若杉から聞いてないもん。







ツンッとすまして顔を背けると、








「んなワケねぇだろ~が」







ため息混じりにあたしを強く抱きしめた。








ねぇ、だったら…
ちゃんと…





聞かせて?