…さて

どうすりゃいいんだろ












目の前には
しゃがんでうつむいたままの俺を心配する亜依。






あの日から

会いたくても
やっぱ会いづらくて


そんな風に
変に距離をとってた










「…大…丈夫?」











ずっと
聞きたかった

細くて通る亜依の声…







もう…
こんな距離で聞けないと思ってたから






耳元をかするその声に

なんだか泣きそうな気分だった











「…白城くん、医務室い…」


「亜依」









おそるおそる伸ばされた

亜依の手を握る


しなやかな指先がまた心臓のリズムを早くしていく


















「…嫌な思いさせてごめん




いい加減なことして…傷つけてごめん




大事にしなくて…

ひどいこと言ってごめん




ホント…ごめん」


















俺…
謝ることだらけだ

でも………
























「…好きだ」






















…散々、ひどいことしてきて

どんだけ自分勝手なんだ、俺






でも





離したくない

繋いだこの手を
亜依を…


離したくなかったんだ



















顔もあげられないまま、掴んだ手を強く握る俺








許してもらえるわけないって、自分が一番知ってるのに



沈黙の中
亜依の言葉をまだ待ってるなんて




俺…
ホントダメだわ…











小さな手から伝わる優しいぬくもり


これが最後かも知れない

そう思いながら
手を離そうとした…




その時だった。