とうとう詠と香賀の次鋒勝負が始まった 試合場に入る前に詠の腕がかすかに震えていたのを高笠だけは見逃さなかった 「久しぶりだな詠」 「…あぁ、そうだな香賀」 礼をしにお互い近づいた時2人は小声で挨拶をした 「今日俺は助っ人で椚に手伝いに来たんだ…久々に燃えさせてくれよな詠」 一年前の事故で香賀の左頬に残させてしまった横一文字の痛々しい傷跡を見て詠の鼓動はドクンと唸った