矢車の夢



 ――私を壁際に追い詰めて、取り囲むクラスメイトの女子たち。
 なんであんたなわけ、と怒り心頭とこちらを睨みつけていた。
 あんたのせい、あんたが悪い、とそう言って攻撃し続けてくる。

 ぼろぼろに傷ついているのは、一体どっちだ。



「労咳について随分と調べてらっしゃるんですね」

 嫌味ったらしく言えば、しかめっ面はこちらを睨む。

「まだ死にたくないからね」
「…教えてあげましょうか?」
「何を?」

 一体何を?と沖田さんは首をかしげる。
 そういったところも、兄にそっくりだ。

 私は沖田さんが嫌いだ。
 兄にそっくりなところも、自分にそっくりなところも、私を遠巻きにしてきた人間たちと被るところも。

 それ以上に、

「あなたはどうあがいても長くは生きられない」

 きっかけは何だったんだろう。
 もしかしたら、最初からだったかもしれない。

 それ以前に、これは錯覚かもしれないけど。

「新選組が滅んでいくさまを、ただ眺めて息絶えるんです。それが、あなたの最期です」

 あなたが好きだから、どうか、嫌いになって欲しい。

 私があなたを殺す前に。