「何でしょう」
「お前は思うところはないのか、この新撰組に対して」
「何言ってんだよ、斉藤。深山はここに来てから一年も経ってねえんだぞ」
原田さんが呆れたように言う。
確かに原田さんの言うとおりだ。一年やそこらで、思うところ、と言われても困る。何より私は何か思想や意思を持ってこの新撰組
にいるわけではない。出て行ってもいい、と言われれば今すぐ出て行くくらいには愛着も湧いていない。我ながら冷めた人間だと思う
が、ある意味拘束されている身で、この場が好きになれ、と言われても無理だ。
頼られるのは嬉しい、信頼されるのも嬉しい。
けど、やっぱりそんなぬるま湯は私には合わないのは、身をもって知った。
「思うのは一年近く世話になった恩義です。新選組の動向に口出す気はありませんし、誰か一人に肩入れする気もありません」
「――…沖田に対しては?」
何を考えているのか分からない斉藤さんは、どうやら人間観察に長けているらしい。
鋭い質問に、思わず言葉が詰まる。
「…似た者同士、という点では親近感が湧きますが、どちらかといえば」
兄に似た容姿の時点で、私の心臓をえぐるような衝撃が走り続けているというのに、私と同じ業を抱えている時点で、それはもう、
「同族嫌悪、ですよ」
