幼なじみは俺様イケメンになっていました!?

カタカタ…。



え…?



気づくとドアノブを回しているほうの手が小刻みに震えていた。



緊張してるからかな…。


こんなので震えてたら、翔くんと話すときどうなっちゃうんだろう。


しっかりしろ!


あたし!




あたしはその手をもう片方の手でぐっと抑えた。


力を込めて抑える。


少ししたら緊張がとけて、肩が軽くなった。


今度こそドアを開ける。



「すー、はーっ。」



あたしは深呼吸してドアを開けた。


ガチャッ。


ドアを開けると、ビュウっと強い風がふいた。


あたしは風になびく髪を軽く片方だけ抑えた。


足を進める。


ゆっくり1歩1歩。


屋上の中心くらいまで来て、1度立ち止まる。



……翔くんがいない。


やっぱり咲ちゃんの言うとおり性格が全部変わっちゃったのかな?



目頭が熱くなる。



もし性格が変わっちゃったとしても、優しいところだけは変わってないと思ってたのに…。


次第に視界がボヤけてきた。



やば…泣きそう。



あたしは上を向いた。


涙がこぼれないように。



「教室、戻ろ…。」



あたしはひとり言を言って1度閉めたドアに手をかけた。



「すーっ、すーっ。」



ん?!


寝息?


誰か寝てるのかな。


誰だろ?



あたしはその寝息の主が気になった。


さっきまで泣きそうだったが、涙なんて引っこんでいた。


昔から1度湧いた好奇心を抑えることができなかったあたし。


今回も好奇心を抑えられずに寝息のするほうへ行ってしまった。


トコトコ歩いて行く。


好奇心に胸をワクワクさせながら。