蛍火と白狐




「あ、蛍っ!」



パジャマ姿で何やら作業を行っていたほのかさんが、私達に気付いた。



「蛍おはよ〜っ。今日も可愛いわねっ。白髪もついでにおはよう。今日も蛍のストーカーなのね」



「何ですかこの温度差?僕の名前は言葉です。そしてストーカーじゃありません。

あんまり反抗的な態度とってると、この神社から家出しますからね」



「蛍、ちょっと待っててね。すぐに着替えてくるからっ」



制服を受け取ると、青年さんを無視して家の中に駆け込んでいった。



「……ふふ」



あ、笑った。



ちらりと青年さんを見ると、それはいつもの優しそうな笑みではなく、どす黒い笑顔だった。



……うん、怖い。



青年さんを怒らせないようにしようと、密かに誓った瞬間だった。