それから小一時間程して、青年さんが部屋にやってきた。
……何やら大荷物を持って。
「では、行きましょうか」
そういえば青年さんって、あっち行くはいいけど、どこで寝泊まりするんだろう。
やっぱりほのかさんの家かな。広いし、泉とか近いし神社だし。
「先に言っておきますが、あちら側で関わりのある人間の記憶は、全て書き換えました。
僕は町野家の親戚として住むことになります。異存はありませんね?」
「……そのくらいは勘弁するわ」
「はい、じゃあ行きましょう」
ご神木の前までくると、本当に帰れるんだって実感がわいてきた。
いなくなった期間は短いのに、何だか懐かしい気がする。
白い光が交差して、目映く輝く。何だか変にやるせない感じを持ちつつ、私は目を閉じた。


