青年さんは、一人で興奮してるほのかさんから遠ざかり、私の隣に座った。
「君に謝らなくてはいけません。僕、ずっと君のこと騙してたんです。本当は帰す気なんてありませんでした。
……すみません」
「いいです。過ぎたことは水に流しましょう。過去は過去です」
「君はお人好しですね。それで損したことありませんか?」
「あります。けど、いいんです。貸したお金が返ってこなくったって、雑用押し付けられたって」
「……君がいいならいいんですけどね」
青年さんは、ゆっくりと立ち上がった。
「彩華は事後処理をして下さい。僕は色々と準備をしなければならないので、出発はもう少し待ってて下さいね」
「構わないわ」


