蛍火と白狐




「そこまでです」



「!?」



倒れてるほのかさんが、驚いたように青年さんを見た。



「嘘っ……。殺す勢いで攻撃したのに、もう回復してるなんて……!」



ほのかさんは苦しそうに呻きながら、悔しそうに顔を歪めた。



青年さんを攻撃したってことは、こっちのほのかさんが本物だっ!



「ほのかさんっ……!」



すかさず駆け寄った。どうしよう、傷がっ。



痛、そうっ……!



傷を凝視する私の前に、何かが割り込んだ。青年さんの背中だ。



ほのかさんの身体が優しい光に包まれる。見る見る内に、ほのかさんの傷は跡形もなく消えた。



ほのかさんを、助けてくれた……。やっぱり、青年さんはいい人だよ。悪い人じゃ、ないよね?



だって、私も庇ってくれたもの。傷を見る私を、出来るだけ見えないようにしてくれた。



偶然だったら哀しいけど……。