「……なんだろう。騒がしいね」
大人しく部屋で弥緒と遊んでたら、何やら部屋の外が騒がしい。
「早く捜し出せ!誰かこの部屋で人の子と霊狐を見張っていろ!!」
そんな声が聞こえたかと思うと、知らない女性が入ってきた。
「私が見張っています。隊長はお早く人の子をっ」
「あぁ、頼んだ!」
障子がぴしゃりと閉じられ、女性が険しい顔でこちらを向く。
でも次の瞬間、柔らかい笑顔になった。
「ここにいたのね、蛍。捜したわよ」
え、誰?
「全く、隊長が聞いて呆れるわ。この程度の変装も見破れないなんて」
女性の顔が変わっていく。やがて、見知った顔になった。
「え……。ほのかさん!?」
「助けに来たわよ、蛍」