蛍火と白狐




「言っとくけど、私はそう簡単に送られるような玉じゃないわよ」



「いいえ、君は無謀です。少なくとも馬鹿であると言えるでしょう」



彼は愉しそうに、実に面白そうに、嘲笑うような笑みを浮かべて、私に近付いてきた。



「な、何よっ?」



何か嫌な予感がする。だけど動けない。



彼が私に手を伸ばしてくる。動けない。彼の手が私の首を掴む寸前、






「やめなさい、彩華」






と、目の前の彼と同じ彼が現れて、私の首を掴もうとしてる彼を制止した。



てか、イロハ?イロハって、もう一人の方の……。



目の前の彼(?)は、拗ねたように唇を尖らせて、襖にいる彼の方に振り向いた。