「何なのよ、蛍のあまりの可愛さに惚れたの?そんなの私が許さないわよっ」
「見当違いも甚だしいです。あの霊狐は特別なんですよ……」
彼ははぁっとため息を吐き、私を見据えた。
雰囲気こそは穏やかなものの、その瞳には確かな敵意がちらついている。
どうあっても蛍は返さず、私を力ずくでも送る気ね。
「……とんだ詐欺師ね。そうやって柔らかく接して、相手を騙すんだ?虚言を操って蛍を騙すのは簡単だったでしょう?」
「僕はまだ、彼女にとって害を及ぼす程の嘘はついていません」
「それがすでに嘘なのよっ!どうせいつかは帰すとか言ってここに縛りつけてるんでしょう!?」
すると彼はくすくす笑って、パチパチと手を叩いた。
「ご明察、です」
こういう輩が一番質が悪いのよっ!平気で嘘をついて人を騙す。狐の悪いクセだわ。
いいえ、クセというより、本性ね。変えようのない、性。


