蛍火と白狐




「……えぇ。帰さないというより、帰せないと言った方が正しいと思いますが」



「理由はやっぱり、弥緒ね?」



「そうです」



「だけど、わざわざこちら側にいる必要はないでしょう?

幼獣の時は親が傍にいないと駄目だけど、成獣になれば自然と親離れして、こちら側に来るんだから。

霊獣は唯一こちらとあちらを行き来出来る獣。どうしてこちら側に連れ出したのか、是非とも聞きたい所ね」



彼は少し困ったように顎に手をあて、何かを思案するように目を伏せた。



「困りましたね。いつの間にやら知識を身に付けているなんて。それ程彼女が好きですか?危険を冒してまで助けにくる程……」



「好きよ、大好きよ。勿論、友達としてね。だから返して」



「ですが断ります」



……何の躊躇も間もなく即答で断りやがった。わかってたけど!何かムカつくわ!