蛍火と白狐




お屋敷に着くと、たまたま廊下を歩いていたお婆ちゃんが声をかけてきた。



「言葉様、お客様ですぞ。まぁ客というよりは、迷子と申した方がピッタリじぇすがな」



「迷子?」



「人の子、でごじゃります」



人の子……。



私と同じように、泉に落ちたのかな。その子と一緒に、私も……。



……帰りたい、けど……。



「仕方ありません。その子を送ります。君は部屋にいて下さい」



「うん……」



「……」



青年さんは何を思ったのか、私の頭をなでなでと撫でた。



「時が経てば帰してあげます。それまでは我慢して下さい。

ね……?」



「……はい、期待してます」



そうじゃない。



そうじゃないの。



そうじゃないんだよ。



じゃあどうなの?



わかんないよ……。