蛍火と白狐




その神社は、森の入り口にあった。長い階段が私の目の前にある。その一番上に、真っ赤な鳥居が見えた。



こ、これを上らなきゃ駄目なの……?



「さ、行くわよ」



「う、うん……」



私は体力があまりない。体育の授業だって、シャトルランなんか三十回も走れないし。



今も、半分も上らない内に息が切れて、心拍数がかなり上がっていた。



それに引き換え雪白さんは、まだまだ余裕そう。うぅ、そりゃこんな階段毎日上り下りしてたら、自然と体力つくよね。



「蛍ー、頑張って、あともう少しよ」



「……っ、うん……」



ようやく、最後の一段を上った。や、やっと着いた……。