蛍火と白狐




「大変だべさ!言葉様に送ってもらうよう頼みに行くべ?付いてくるべっ」



女の子は私の手を握って走り出した。意外と早い。



じゃなくて、ちょっと待って!?この子本気で素直に案内してくれる気なの?



騙されちゃ駄目よ、まだ小さいとはいえ、この子だって狐なんだから!



「ほら、あそこだべ?あの大きくて立派なお屋敷に住んでらっしゃるんだべよ」



女の子はスピードを落とすことなく走り、私にニッコリと笑いかけた。



淀みのない、無邪気で純粋な笑顔。



「言葉様は優しい方だぁよ。あんた、迷い込んだのがこの国で良かっただなぁ」



女の子は前を向き、スピードを少し落とす。