蛍火と白狐




光が収まって、目を開ければ森の中にいた。蛍の言ってた通りだわ。



道が真っ直ぐ続いてる。この道を行けば、蛍に会えるかしら。



悩んだって仕方ないわよね。とりあえず行きましょう。



進んで行けば、村が見えてきた。古風な村に、和風な人達が活気良さげに歩いている。



国や村があるとは聞いてたけど、こんなに生き生きとしてるとは思わなかったわ。



明るそうだけど、騙されちゃ駄目。何せこの国はお狐様が治める狐領。狐の国。



油断すれば痛い目をみるのはこっち。



「……んー?お、何だべさ〜っ。べっぴんさんがおるべ。森から来たっちゅーことは、迷い込んだべ?」



小さな女の子が私に気付いた。べ、べっぴんって……。今日び言わないわよ。