私は気持ちが悪いと言って嘘をつき、学校を早退して早々と家に帰った。
「お母さんっ、お母さん!!」
「どうしたの、ほのか。学校は?」
「それどころじゃないのよ!蛍があちら側に連れて行かれたわ」
「あら、あらあらあら!それは大変!」
「連れて行かれたのは午後五時以降。家を出てすぐ攫われたと考えて、あと六日!
期限は六日しかないわ。どうにかしてあちら側に行かないと、蛍っ……」
残された側にとって、嫌な結末になっちゃう。
「……行く方法なら、あるわ」
お母さんが呟いた。何故だか暗い声で。
「あるのっ!?」
この際なんだって構わない。蛍を取り戻せるのなら、何でもいい!