蛍火と白狐




それから走りに走って(青年さんが)、来た時よりも断然早くお屋敷に着いた。



庭と思しき場所の縁側に私を下ろし、その隣に青年さんが座った。



青年さんは疲れたようにため息を吐き、次に眠たそうに欠伸をする。



その欠伸が移り、大きな欠伸をしてしまった。それを見て、青年さんがニッコリと微笑む。



「色々なことが起きて疲れたでしょう?一眠りして休みましょう」



「はい……」



「そうですね、後ろの壁を背もたれにして、足を真っ直ぐ伸ばして寝るととても気持ちよく寝れます」



私は言われた通りにしてみる。すると、青年さんが私の太ももに頭を乗せて寝転んだ。



唖然とする私に、青年さんはくすりと笑い、一言付け足す。




「僕が、ね」




「なっ……!」



何て狡猾なっ!全ては己のためか、また騙されたっ。



……まぁ、いいか。害があるわけでもないし。今はそれ以上に眠いや。



私は瞼を閉じ、ゆっくりと夢の世界に旅立っていった……。