―放課後―
「ほーたるっ。今から帰り?」
「あ、うん」
今日から一週間、部活動見学があるけど、私は部活に入る気がない。
知らない人と一緒にいること自体が苦手だから、放課後までそんな苦しい時間を増やしたくない。
「ふぅん、部活入らないの?」
「うん、そのつもり」
「そっか、私もなんだ。入らないっていうか、私の場合は入れない、なんだけどね」
「……?」
「私ね、神社の巫女なんだ。一人娘でね、雑用とか押し付けられてんの。躱してるけど。
でも流石に神様はお粗末に出来ないから、毎日行かないと」
「へぇー……」
お巫女さんなんだぁ。大変なんだなぁ、雪白さんって。
雪白さんは、「あっ!」と何か思いついたように手を叩く。
「蛍、うちの神社来ない?」