「あ、本は好きです」
日向ぼっこはお茶がないと駄目だけど。
それにしても、日向ぼっこ好きな割りに、その肌の白さは一体何?
「君、古文は読めますか?」
古文?いきなり、何で古文?
「時間をかけて、ゆっくりなら……。亀みたいに遅いですけど」
「ならやめておきましょう」
……というか、やることないんだったら別にこっち来る必要なかったんじゃ?
でも理由があるんだよね。弥緒にとって、こっちの世界の方が適してるのかな。
……それはそうだよね。こっちの世界の動物だもん。
弥緒のためを考えるなら、ここにいた方がいいに決まってる。
けど……。
両親やほのかさん、今頃心配してるだろうなぁ。お母さん、心労で倒れないといいけど。
「そうだ」
青年さんが笑顔になって手を叩いた。
「隣に行きましょう」
……は?
「なのですみません、また着替えて下さい」
……え?