蛍火と白狐




「やですってそんな……。しかし、もうそろそろ結婚せにゃ、まぁたどやされますぜ」



「ですがやです」



「はぁ、困ったもんだ。早目に決めて下さいよ、嫁さん」



「……行きましょう」



青年さんは返事をせずに、ぐいっと手を引いて歩きだした。



結婚、したくないのかな。



……まぁ、私には関係ないよね。



「言葉様〜、お久しゅうございます。その子は?」



何だか綺麗な女性が、青年さんに擦り寄ってきた。



「霊狐の親です。えーっと、すみません、先を急いでるのでまた今度お話しましょうね」



ニッコリと笑みを向けると、女性がその場に崩れ落ちた。



え、どうしたの!?何があったの!?放っといていいの!?



スタスタ先を行く青年さんに尋ねてみた。



「放っといていいんですか?」



「えぇ、いつものことですから」



釈然としない答えだったけど、何だかこれ以上聞いても無駄な気がしてやめた。