蛍火と白狐



どぎまぎとして答える蛍。この状況に耐え兼ねたのか、純粋に疑問に思ったのか「お、お風呂は……?」ときいてきた。



「入りますよ」



「どうしたの……?」



どうした、とは。抱きしめたことでしょうか。それ以外思い当たりませんし、そうでしょうね。



「いえ、たまにありません?人肌が恋しくなる時」



これは嘘じゃない。どうしたって、たまにある。時間も場所も状況も関係なしに、ふと、そうなるんです。



「寂しいの?」



寂しい。それは違う。でも、それに近いのかもしれない。これがどういった感情なのかはわかる。けれど、寂しいのかどうか、僕はわからない。



わからない。



「どうなんでしょうね」



寂しい、なんて感じたこと、今までなかったからでしょうか。だからわからないのかも。あぁ、新たな発見、ですね。僕に知らない感情を植え込むとは、蛍の家族はすごい、なんて。