蛍火と白狐



ーーー言葉side



家に帰ると、いつもいるはずの蛍のお母さんがいなかった。どうやら事故にあったらしい。



ショックのためか床にへたり込んでしまった蛍を励ますため、僕は回復を手伝うと言った。まぁ、お世話になっている身ですし。



着替えてご飯をすませると、蛍はお風呂へと向かった。食器を片付けると暇になったので、暇潰しにお笑い番組を見ることにした。



シンとしたリビングに、テレビの音が反響する。



おかしかった。テレビがじゃなく、僕が。いつもは誰かいるはずの部屋に一人きりなんて、多分、初めてで。自室に一人なんて毎日のことだけれど、何だろう、リビングに一人なんて、変な感じがする。



僕は首を傾げる。



「寂しいんですか?」



誰にも届かない自問に、僕は首を振った。



そうじゃない、違う。